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パティスリー・プティ ペルル

サイズ: W.315. L.105. H232.mm

(2020年製作)





 エコールプリメール(小学校)に通うAimeeエメは、この日迷子になってしまいました。
 いつもは親友のマノンと一緒に学校から家まで帰るのだけれど、マノンは具合が悪くて早退してしまったのです。
 一人で帰るというのに、好奇心が勝ってしまったエメ。いつもと違う小道を入ってしまいました。
 きれいなお姉さんが前を通ったので、ついつい、ついて行きたくなってしまったのです。
 そのお姉さんは、小道を曲がってまた小道を曲がって、3回くらい曲がった時に消えてしまいました。
 あっ!と思ったエメだけど、一瞬の不安感も忘れて、目の前に現れた小さなショーウィンドウに釘づけに!!

 そこには、きらきらしたきれいな色のケーキがいっぱいテーブルに並んでいたのでした。このあいだ、マノンの
 おうちで見た絵本の中に出てきたようなお菓子でした。”お姫様がたべるやつだわ!”
 1つ1つのケーキを見ながらショーウインドーに沿ってぐるっと建物を回ってみると、今度は小さな小さなケーキが
 いっぱいショーケースに入っていました。とってもきれいなケーキ達・・・”これはたべられるのかしら!?”それは
 まるで宝石のようでした・・・ふと、エメはこれは夢の中に違いない、と思いました。だって、こんなにかわいい
 お店は今まで見たことないし、こんなかわいい食べられるお菓子が現実にあるなんて?

 エメはしばらくショーケースをじっくり眺めていましたが、一向に夢は覚めません。
 その時、教会の鐘が鳴りました。この数の鐘が鳴る時はいつも、もうおうちにいておやつのビスケットを食べている
 時間なのです。
 ママンの顔が思い浮かびました。クマの絵のついたマグに甘いカフェオーレを注いでくれるのです。”ママ!”
 エメの瞳から大粒の涙がポロポロと流れ落ちました。

 さっきからくるくるした大きな目で楽しそうにお菓子を見ていた女の子が突然泣き出したので、パティスリーの店主
 ブロンシュはびっくりして急いで少女の元にとんで行きました。
 ”あ!さっきのきれいなおねえさん!・・・それともお姫様?”エメは心の中で叫びました。一層大きな泣き声になって
 しまいました。
 「マドモワゼル、どうしたの?」「名前は?」「おうちは?」「ママンは?」お姫様は優しく尋ねましたが、エメは
 泣いていて上手く答えられません。そんな時、持っていたカバンの内側にママが名前を書いておいてくれたのを思い出
 しました。エメが泣きながら見せるとお姫様はにっこりと微笑みました。「今ママンに電話してあげるね」そこには
 住所と電話番号も書かれていました。
 ママンを待っている間、お姫様はドアの向こうから小さな椅子を持ってきてエメを座らせ、お花のついた小さなケーキを
 食べさせてくれました。

 「あらあら!」ちょうどケーキを食べ終わった頃、ママンが来た道の方から走ってくるのが見えました。お姫様と
 ママンが何かしゃべっています。怒られるかな?と思ったけど、ママンは優しくエメに聞きました。
 「マノンはどうしたの?」
 「マノンはきょう、びょうきでそうたいしたの」と言うと、ママンはいくつかの小さなケーキを選んでお金を
 払いました。
 「じゃ、マノンのおうちにちょっと寄ってみましょうか」ケーキの箱を持ったママンは小さなエメの手を握って
 くれました。
 お姫様にありがとうと言って、5分くらい歩いたらマノンの家に着きました。少し具合が良くなったマノンと
 今日2個めのケーキを食べたエメ。マノンには夢の国に行ったこと、お姫様に会ったこと、、、いろいろ話したいことが
 いっぱいのエメでした。 












































































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